第3話 実際にやってみて介護の大変さを初めて痛感

車椅子を押す姿のイメージ画像

介護の厳しい現実がだんだんと・・

厳しさを感じているイメージ画像

要介護5の義母が入所している介護施設の近くに引っ越してからは妻はほぼ毎日、僕は毎週末面会に行っていた。

歩いてすぐなので気兼ねなく気軽に行けて、またすぐにいつでも行けるという安心感から穏やかな日々を過ごしていた。

連休などには介護施設に外泊届を出して自宅に招き1~2泊させたりもしていた。

当時の義母はまだ口から食事ができていたし右手も動かせた。

介護施設では好きなものを食べられない義母に、この時ばかりは好きな食べ物をたくさん出しお腹いっぱい食べさせた記憶がある。

しかし、ここで介護という世界は実際に自分達でやると大変だという事をまじまじと思い知らされた。

簡単にいかない車椅子での移動

介護タクシーのイメージ画像

左半身麻痺の義母は車椅子で移動しなければならない。

介護施設から自宅まで近いといっても、さすがに簡単に運べるほどの距離ではなかった。

実際に車椅子を押してみると分かるが、アスファルトの上でもチョットした凸凹があるとタイヤが引っかかったりして押すのも大変だし、凹みに車輪がハマると傾きそうになり危ないのだ。

そんな理由から介護施設から自宅まで普通に歩くと10分弱の距離でも介護タクシーを使って移動した。

車椅子の目線で見ると障害だらけ

車椅子の障害のイメージ画像

当時に借りていた部屋はメゾネットタイプの物件で玄関の前には3~4段くらいの階段があった。

何の気にも止めていなかったが、実際に車椅子に乗った義母を玄関まで上げるのに一苦労。

もちろん車椅子をスムーズに登れるようにするためのスロープがあることも知っていたが、とても高価。

何万円もするもので、たまにしか呼べない僕たちには手が出なかった。

なんとか介護タクシーの運転手さんと2人で車椅子を左右からもち、一段ずつ慎重に上げ無事に玄関までたどり着けたが、玄関から家の中に上がるまでにはもう1段高い段差があった。

この段差は車椅子の後ろのタイヤに重心をかけ、ウィリーするような状態で何とか1人で上げることができた。

要介護5の義母を家に入れるまでにはいくつもの壁があり本当に一苦労。

車椅子の目線になると普段では気づかない障害がたくさんある

と痛感させられた。

現在ではバリアフリーの場所がかなり増えたが、まさか普通の家で部屋に入るまでこんなに大変だったとは・・。

初めての車椅子からベッドへの移動に困惑

車椅子から移動させるイメージ画像

ベッドも義母のために介護ベッドまでとはいかないが、電動で背もたれが上がるリクライニング式のものを用意した。

しかし介護の「か」の字も知らない僕は、車椅子からベッドへ義母を移動するやり方が全く分からなかった。

要介護5の義母は全く自分では動けないので、ダラ〜んとした状態でどう義母を持ち上げたらいいのか。

男なので力任せではないが義母を真正面から両手で義母の両腕の脇を抱え込む感じで、まずは車椅子から立たせた。

そのまま妻に車椅子を引いてもらい、ベッドの上へまず座った状態にしてゆっくりとベッドの真ん中にずらし左手を義母の肩甲骨のあたりに、右手を立てた義母の膝の下にまわし、お姫様抱っこのようにしてベッドの真ん中へ移動。

ここまでやるのに一苦労で汗ダラダラだ。

今でこそ余裕で出来るようになったが、かなり困惑して苦労した記憶がある。

また義母はオムツをしているのだが当時は妻がやっていた。

今でこそ、このオムツ交換も2人とも簡単にできるようになったが当時の妻は汗だくでやっていた。
 
そんな状況の中、やっとの思いでベッドに就いた義母と楽しい会話をしながら幸せなひと時を過ごした。 

こんな大変な苦労が分かった僕たちでも、後に「在宅介護をしたい」という怖い現実が待ち受けているとは・・・

誰が想像できただろうか?  

この時は誰も知る余地もなく、外泊でたまに来る義母と3人で楽しい時間を過ごしていたのである。  

前回を読む⇒第2話 独身時代の妻が一人で介護と闘ってきた過去

続きを読む⇒第4話 絶体絶命!どうする!?介護施設からの告知

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この記事を書いた人

要介護5の義母を在宅介護で看て早15年目を迎えます。
介護の世界は独特です。
最初は介護の『か』の字も全く知らなかった状態で、ここまでいろいろな経験をしてきました。
培ってきた介護のノウハウと現実を発信していきます。

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