医療用喀痰吸引器。
気管切開の要介護者の介護では喀痰吸引は必須のケア。
その際に使用する医療用喀痰吸引器はネットショップなどでみると、かなりの高額で平均5~6万円はします。
この前、わが家で長年使用してきたメインの吸引器の吸引力が弱くなってきたと感じ、そろそろ新しいものを購入しようと考え始めました。
結果、ネットショップでは5万円近くで売られている最新機種が無料で手に入ったんです。
そこで今回は
・吸引器は購入すると高い。何か補助制度はない?
・制度があるならば条件は?
・手に入れるまでの手続きや流れは?
実際に
- どんなふうにして手に入れられたのか
- 手続き方法や実際手に入るまでの流れ
を経験をもとに、ご紹介したいと思います。
日常生活用具費支給制度を知っていますか?
結論から言うと『日常生活用具費支給制度』というものを利用して無料で医療用吸引器を手に入れられました。
実際にどういう制度でどんな条件があるのかみていきましょう。
日常生活用具費支給制度とは
市町村が行う地域生活支援事業の内、必須事業の一つとして規定。
障害者等の日常生活がより円滑に行われるための用具を給付又は貸与すること等により、福祉の増進に資することを目的とした事業である。
厚生労働省ホームページより
とあります。
医療用吸引器が必要な方は、ほとんどの方が障害認定を受けていると思います。
ありがたい制度ですよね。
対象者
日常生活用具を必要とする障害者、障害児、難病患者等(お住いの市町村に要確認)が対象となります。
では日常生活用具とは何を指すのかといいますと、
障害者が日常生活をしていく上で、その障害を軽減し自立した生活を支援・実現するための用具のこと。
要介護5の義母は完全に寝たきり状態ですので、日常生活をする上でこういった用具や介助がないと生きていけません。
用具もたくさん使用していますので、こういった支給制度や補助制度がないとすごい出費になってしまうんです。
利用者負担
厚労省のホームページよると「市町村の判断による。」とあります。
お住いの市町村のホームページや障害福祉課窓口などに確認して下さい。
対象品目とは
こちらも各市町村により違うので確認が必要です。
僕が住む千葉県船橋市は障害の種類により対象品目が分かれています。
- 下肢又は体幹機能障害
- 上肢障害
- 視覚障害
- 聴覚・言語障害
- 内部障害
- 重度障害
- 知的障害
- 精神障害
- 難病患者等
今回の医療用吸引器の支給は「5.内部障害」にあたり、対象品目の項目に「電動式たん吸引器」とあり該当していました。
申請に必要なもの
こちらも各自治体により違いがあると思いますが、船橋市は以下のものです。
- 身体障害者手帳、療育手帳、精神保健福祉手帳
- 難病患者等の方については、診断書、意見書等の難病等の疾患及び状態がわかるもの
※詳しくは問い合わせ - 印鑑
- 対象品目の見積書
- 日常生活用具費支給申請書
- 同意書
5と6は、ホームページからPDF形式でプリントアウトできるので記入して提出します。
実際に5万円の医療用吸引器が無料で手に入った!
今回は『日常生活用具費支給制度』を利用して最新機種(2020年10月現在)の医療用吸引器を無料で手に入れられました。
ここで注意したいのは
手続きをする前に先に購入してしまうと、『日常生活用具費支給制度』は利用できない
ので手順をしっかりと守って下さいね。
では実際にどんな流れで進めていったのかご紹介したいと思います。
わが家での実際に手に入れるまでの流れ
医療用吸引器を無料で手に入れるまで行動を起こしてから2日後にはわが家に届きました。
多分これは最短だと思います。
実際の流れはこんな感じでした。
障害福祉課に電話で相談
まずは住んでいる市役所の障害福祉課に電話で相談しました。
電話口では
「現在使用している吸引器の吸引力が弱くなってきたので新しい吸引器の購入を考えている」
と相談。
いろいろ調べてくれ私が住んでいる船橋は、吸引器は5年ごとに支給できるとの回答。
前回の吸引器購入の時も「日常生活用具費支給制度」を利用している経歴があり、5年以上経っているので今回も対象にあたりました。
次に吸引器を購入するにあたり手配をする事業所を何社か紹介され、「そこで直接事業所に手配をしてほしい」と言われました。
紹介された事業所に電話
まずは1社目に電話。
事情を話したら支給される吸引器の限度額があるようで、一番の最新機種だと対象外と言われました。
どうせ手に入れるなら長く使用するものなので最新機種がいいですよね。
1つ前の機種なら対象内と言われたのですが、粘って話していたら結果サービスするとのことで最新機種がOKに。
ただ手に入るまでに1~2週間かかると言われいったん保留に。
2社目に電話をかけ同じ内容を話しました。
そこで偶然にも2社目は、現在もわが家で車椅子をレンタルしている事業所だったのです。
吸引器については1社目と同じ返答で
「上限があるので最新機種はちょっと」
と言われましたが、1社目は対象内にしてくれたことを話すとなんとOKに!
さらにラッキーなことが。
1日でも早く納品すると言われたのです。
ここの事業所で即決定!
次の日に必要書類を提出
電話口では必要書類を記入しておいてくれれば明日の朝8:30に自宅に取りに来て全て手続きをしてくれるとのこと。
前項にある申請に必要な書類
- 日常生活用具費支給申請書
- 同意書
を記入し次の日の朝に玄関口で渡しました。
ここからその事業所は、朝一に市役所に出向き全ての手続きをやってくれたのです。
これにはかなり助かりました。
在宅介護をやっていると、簡単に出かけることは出来ないので感謝感謝です。
次の日のお昼には手元に
そして書類を渡した次の日のお昼には、一番の最新機種が届いたのです。
非常にありがたいですよね。
付き合いのある業者に頼んで大正解です。
1社目だと納品まで1~2週間かかっていたので、それまでは吸引力の弱った喀痰吸引だと不安が残ってしまいます。
毎日何度も使用する吸引器なので非常に助かりました。
まとめ
行動を起こしてから僅か2日後のお昼には、手元に吸引器が届きました。
多分最短ルートだと思いますが、手続きをしてくれた業者が普段から付き合いのあるところで、早めに手に入れた方がいいとの判断から早急に対応してくれたおかげです。
今回の場合は例外だと思いますが、利用者への気持ちとノウハウがあればどこの事業所でも対応可能だと思います。
わが家のこの件を参考に、事業所に交渉してみるのもいいかもしれません。
この『日常生活用具費支給制度』は、気管切開をしている方には知っておいてほしい制度です。
他にも対象品目は多数ありますので、お住いの市町村ホームページをチェックすることをおススメ致します。
支給期間(船橋市は5年)外に故障したら個人的に購入するしかないようです。
ご参考までに。
コメント