寝たきりの要介護者は、ほぼ365日ベッド上での生活。
自ら寝返りもうてない要介護者は、ベッドのマットレスとずっと接地しているので背中の汗に困っている人も多いのではないでしょうか?
この記事では背中の汗対策として10個の方法を試してみたレポートをお届けいたします。
少しでもご参考になれば幸いです。
寝たきりの人は背中の汗がひどい
寝たきりの要介護5の義母の、背中の汗がとにかくひどい。
今まで背中のこもり熱対策としてずっとSOYOを愛用していました。
常に背中がサラサラだったのに最近は体質が変わったのか、背中に手を入れると肌着がグッショリ。
そのまま放置すると風邪をひいてしまう恐れもあります。
何か対応していかないとまずい状況に。
着替えが理想だが現実的ではない理由
要介護者が汗ばんで肌着が濡れたら、着替えさせるのが1番いいことは分かっています。
でも介護をする我々の視点からみると、これがなかなか難しい。
理由は下記の通りです。
何度も着替えさせる可能性が
わが家の義母の場合、特に最近はすぐに汗ばむので着替えさせるとなると15~20分おきにとなってしまいます。
現実的ではありません。
寝たきりの着替えは大変
完全寝たきりの着脱って大変なんです。
2人でやればまだ楽にできますが、1人でやるとなると結構な重労働。
これが頻繁となると疲弊してしまいます。
腸瘻のためギャッチアップ状態が長い
わが家の義母は腸瘻のために栄養・水分注入に時間がかかります。
5時間はギャッチアップ状態なので着替えができない。
まだ仰向けにできればいいんですが栄養中はNG。
現在の背中の汗対策で疲れ果てた
最近は本当に背中の汗のかき具合が半端なくすごいので上記の理由から、濡れた衣服をドライヤーでこまめに乾かす生活なんです。
ひどいと10分間隔、よくても2~30分おきにはドライヤーで乾かしています。
さすがにこのケアは予想していなかった。
以前はSOYOを使っているだけで年中義母の背中はサラサラだったんです。
でも今では効かなくなってきた。
次の対策を練らなくては。
「背中の汗対策」思いつく10個をやってみた
頻繁なドライヤーをかける日々ははっきり言ってツラい。
「何とか対策を練らないと」ということで、思いつくあらゆることを試してみました。
以下10個の方法です。
1.SOYOのファンを強いものに改造
メーカーが禁止しているのであまり真似して欲しくないのですが、SOYOのファンを強いものに替えました。
回転数が高いファンにチェンジ。
少しでも最大風量を上げてSOYOの本体の空気をより循環させる目的。
禁止されているので、どうしてもやりたい方は自己責任でお願いします。
結果
標準のファンよりもだいぶ汗ばむのに時間の間隔が長くなりました。
個人的には1番期待していた方法なんですが、基本的に汗ばむのは変わらなかったです。
2.サーキュレーターを導入
これは基本中の基本ですが、部屋中の空気を循環させて程よい室温に保つため。
結果
部屋の室温が調整しやすくなりましたが、義母の背中の汗ばみは変わらず。
3.除湿機を購入
梅雨時期や夏季は特にジメジメと湿度が高いので、部屋の湿度を下げてみようと思い除湿機を購入。
かなり除湿性能がすごく、小一時間で湿度が10%も下がる優れもの。
これはいけるか?
結果
除湿効果は高いのですが、温風が出るので室温が上がるんです。
その分エアコンで冷やすと今度は要介護5の義母が冷えすぎてしまいます。
この調節の兼ね合いが難しく断念。
4.エアコンの風除けを購入
わが家の介護部屋は、介護ベッドの頭の上にエアコンが付いているために風が直接義母に当たってしまうんです。
寝たきりの義母にこれはかなりダメなこと。
そのためにエアコンの羽を上向きにして対応していたのですが、それだとなかなか室温が下がりにくい。
一気に下げるためには羽を上下に動かすとかなり効き目があるのですが、それだと義母に直接当たってしまうのでなかなか難しかったんです。
そのためエアコン用の風除けをつけてみました。
結果
これはなかなか有効。
ただ風除けの角度や位置を変えても少なからず義母に風があたり、あたった部分がかなり冷たくなるんです。
布団をかけてもダメ。
完全には防げなかった。
5.肌着を速乾性のものに変えた
肌着の生地が速乾性のあるものに変えてみました。
汗ばんでもすぐに乾いてくれることを期待。
結果
寝返りも打てない義母は背中が常にベッドのマットレスと設置しているため、汗ばんで濡れたら乾くということはなかったです。
多分、少しでも背中とマットレスとの間に隙間があれば乾くのかもしれませんが残念。
6.マットレスを循環付き最新のものに変えた
介護ベッドのマットレスの内部が空気が循環する最新のものへ変えてみました。
自動ポンプがついていて、マットレスの中に空気を入れる仕組みのもの。
SOYOのマットレスタイプといった感じでしょうか。
これは期待できる。
結果
背中の汗ばみはほぼなくなりました。
ただその分下半身が冷えるみたいで、体温は少し下がり気味になり下痢になってしまったんです。
急いで循環機能をオフにしたら治りました。
残念ですがNG。
部分部分で選択できる機能があれば、上半身部分だけ循環させればドンピシャで使えたのですが惜しい。
7.ひんやりシートを購入
素材がひんやりするシートを購入。
体感温度が-8.2℃下がるとか。
これなら少しは義母も涼しく感じ背中の汗が減るのではと思い購入。
結果
届いて我々がまず試したのですが、冷凍庫で冷やしているわけではないのにかなり冷たく感じる商品。
健常者の我々がここまで感じるなら寝たきりの義母にはちょっと強すぎる刺激だと判断し断念。
8.ひんやりマットを購入
前項の商品だとちょっと冷たく感じたので、もう少し柔らかめの冷たさということでひんやりマットを購入。
実際に義母の背中に敷いてみました。
結果
いつもと変わらない背中の汗。
全く効かず。
9.扇風SOYOマットを購入
今の初代SOYOは3つめ。
それもファンを強いものに改造。
SOYOには他にも何種類か出ているので初代のものより良くなっているではと思い色々調査しました。
そこで気づいたのがこの扇風マット。
何と風が出るマットなんです。
それもボーダーライン上の並行にならんだ2本のメッシュの部分から風が出るというもの。
これなら「背中の汗が吹き出したら飛ばしてくれるかも」と期待を膨らませ少々高かったですが購入。
結果
かなり有効。
汗もかかなくなったので大成功!と思いきや、風が出ない真ん中の部分が汗をかいている。
風が出るメッシュのボーダーラインの上はサラサラなのですが、その他の部分が湿ってダメでした。
惜しい。
真ん中にもう1本風の出る部分があれば完璧でした。
非常に悔しい。
10.防水素材ではないマットレスに交換
介護ベッドのレンタル業者の方からは、
「先ほどあげた循環付きの最新のものに比べたら期待はできないかも」
と言われていましたが
何でも試すかしかない!
という気持ちで交換しました。
このマットレスは素材が今までの防水機能付きのビニール素材と違うもの。
わが家では義母の腰部分には別に尿もれ用の防水シートを敷いているので、濡らすという部分では問題ないので試してみることに。
一応除湿機機能はついています。
結果
ビニール素材のマットレスに比べだいぶ汗ばみにくくなりましたが、やっぱりどうしても背中とマットレスがずっと接地しているので汗ばんできます。
でもこのマットレスに今まで使用していたSOYOを敷くと、だいぶ汗ばむ周期が長くなってきました。
もう少し。
「背中の汗対策」を全てをやってみた結果、1番効果的だった方法は?
これら10個の背中の汗対策を試してみて、1番最良だったのが最後にご紹介したマットレスにSOYOを敷く方法。
それプラス部屋の室温と湿度のバランスだと最近発見しました。
これはわが家の場合ですが、
- 室温を26~26.5度くらい
- 湿度が60~65%ぐらい
にするとほぼ背中の汗がかかなくなり、サラサラ状態に。
久しぶりに以前の義母のサラサラ背中が戻ってきました。
室温と湿度のバランスを図るのは難しいですが、除湿機と風除けをつけたエアコンでコントロール。
この方法がわが家では1番理想の背中汗対策です。
まとめ
頻繁なドライヤーかけからやっと解放されました。
以前は5~10分おきにドライヤーかけ。
ハッキリ言って異常です。
かなり介護の世界を超えてぶっ飛んでいます。
かと言って肌着が汗で湿ったままの状態にはできない。
見て見ぬ振りなんて絶対にできません。
高齢者はちょっとした風邪から命に関わる誤嚥性肺炎を起こす可能性もあります。
だから何とかしなくては要介護者の義母も介護者の我々も共倒れしてしまうと危機を感じました。
色々試行錯誤して様々なアイテムを買いお金も時間も労力もかなり使いましたが、「健康はお金では変えない」と言い聞かせ、やっとわが家なりの背中汗対策が見つかりました。
要介護者の状態や部屋の環境で全てわが家の対策で合うとは限りませんが、同じように寝たきりの背中の汗で悩んでいる方のヒントになれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
- マットレスをビニール素材ではないものに
- 背中にはSOYOを使用
- 室温は26〜26.5度
- 湿度は60〜65%
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