第1話 要介護5の義母との初めての出逢い

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介護のイメージは

  1. キツイ
  2. キタナイ
  3. クルシイ

の3拍子のイメージ。

全く介護の「か」の字も知らなかった僕は、ここから介護の世界に入っていく。

今までの経緯を振り返ります。

小説風に書いた介護ストーリー。

全て事実のノンフィクションです。

目次

介護の世界への入り口

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「介護」という世界はそれまでの僕の人生では全く無縁のことだった。

両親も元気だしおじいちゃんおばあちゃんは一緒に住んでいなかったし、周りに介護という世界が全くなかったのだ。

介護という言葉は知っていたが自分には全く関係なく、テレビなどで何となく話題に出てくるぐらいのイメージ。

そんな僕に介護の世界への入り口がやってきたのは、要介護5の義母との出逢いだった。

今から約20年前

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年齢は30歳を過ぎていたが、僕はバンド活動に夢中になっていた。

16歳でギターと出逢ってからは


「プロになりたい!」


の一心で無我夢中だったが、叶わない夢となった。

それでもバンドの中の自分は水を得た魚のように生き生きとし、自分のいるべき場所だとまで強く思い、社会人になってからもバンド活動を続けていた。

ロックの象徴ともいう長髪にもしていた。

若い時も22歳までは長かったが、就職活動でバッサリと切り、それからは短髪でも仕事以外の時間にはバンド活動をしていた。

自分なりのロックへの美意識というものがあり、30歳ぐらいでまた髪の毛を伸ばし始めた。

ちょうどそんな頃に現在の妻と友達の紹介で知り合った。

お互い大酒飲みで、初めて会った日から意気投合。

最初は


とても綺麗な人だなぁ


という印象だったが、居酒屋でおかわりのお酒を頼むときに店員に大きな声で


「ウーロンハイ!ジョッキで2杯!!」


と言ったのを聞いた時に、自分と同類と感じた。

見た目とは大きく違い大酒のみで、初めて会った僕達にも全く恥じらう事もなく、美味しそうにお酒を飲みながら大きな笑い声が飛び交う。

そんなところ全てが、なぜか昔からの幼馴染みっぽい懐かしささえ感じた。

初対面にも関わらず最初から妻は、母親が介護施設にいることを軽く話していた。

60歳で倒れたと聞き、何となく


「大変だなぁ~」


ぐらいの印象だったと思う。

そんな初めての出逢いからは途中ブランク期間もあったが、何回か会って遊んでいるうちに気が合うことを実感し、つき合うようになった。

そしてそのままスルスルと順調に結婚することになり、妻の親への初めての挨拶ということで、介護施設で会ったのが義母との始めての対面だった。

最低な自分との葛藤

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僕が義母に初めて会ったのは確か2006年の春。

現在の妻と結婚する事になり、挨拶をしなければと思い会うことになった。

当時の僕は介護という世界は全く分からず、ましてそういった人達には偏見さえ持っていた。

ロックのために髪を伸ばしていた僕に妻は


「親に会うんだから髪の毛を切って!」


と言われた。

すごく悩んだ。

もうこの時点で偏見だ。

健全な親なら悩まず切る、障害者の親なら悩む。

最低な人間だった。

結婚は人生での節目。

そんな時にこんなにくだらない事で悩むなんて偏見にもほどがある。

結局悩むに悩んだあげく、長髪をバッサリと切り義母に会いにいった。

要介護5の義母との初めての出逢い

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何故かピンとはこなかった。

どういう風に接していいかも分からない。

生まれて初めての介護施設。

義母は脳出血で倒れ要介護5で左半身麻痺のダラっとした状態。

会う前から妻には


「ビックリしないでね。」


とは言われていた。

最初に会った時のことはハッキリとは覚えてないが、そんな状態の義母でも妻にとっては母親。

当たり前のことだがそんな印象が強く残っている。

お医者さん曰く、義母の視界は鍵穴から覗くくらいの視野しかないらしいということは聞いていたので、初めて会った日は恐る恐るだが、なるべく顔の近くに寄って挨拶したのを覚えている。

当時の施設には喫煙所があり、本当は本人の身体にとって1番ダメなことだが、妻が


【母の短い人生、極力好きなことをやらせてあげたい】


との気持ちで、面会に行った時には義母にタバコを吸わせていた。

その時も挨拶を終え、3人で喫煙所に行って会話したことを覚えている。

そんなこんなで、妻と結婚することができた。

介護と両立の新婚生活

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新婚生活は介護施設にいる義母に毎週末面会に行くというリズムと、介護施設に対する不安要素の会話など、少しずつ介護という割合が僕達夫婦の生活にも増えてきた。

介護という色々な現実を知っていったのもその頃から。

今でこそ介護士による入所者への虐待などニュースに出るようになったが、その当時は日常茶飯事のようにあちらこちらであった。

妻の友達の母親も、義母が入所している老健に以前いた時期があったようで、トイレでトイレットペーパーでグルグル巻きにされ「ミイラマン!!」とバカにされたり、何か頼んでも聞こえないふりをして無視されたりと、実際に虐待が日常茶飯事のようにあったみたいだ。

そういう情報もあったので、妻も母親に面会に行けない時間の不安さはハンパなものではなかった。

まだその頃の僕は


「そんなこと考えすぎだよ」


って感じで励ましていたが、人の親という軽い気持ちと介護施設のズサンさをしっかりと実感していなかったところからの軽はずみな言葉でもあった。

自分の親だったら妻と同じ心境になっていたかもしれない。

今思うと本当に申し訳ない発言だったが、こんな感じで介護の世界へとジワジワと入っていくのである。

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