在宅介護をするうえで欠かせないのが在宅(居宅)介護サービス。
上手に利用すれば介護者・要介護者にとってより負担の少ない生活が送れるようになります。
介護サービスには様々なものがあり、どれをどのぐらい利用するかによって負担率も変わります。
今回は要介護5の義母の在宅介護歴15年目の経験から、在宅介護サービスを選ぶポイントや実際に利用しているもの、入れている回数などを具体的にご紹介したいと思います。
要介護5の在宅介護をする同じ環境の方や、これから在宅介護を始めようと思っている方のご参考になれば幸いです。
一般的な在宅介護サービスの種類
在宅介護サービスといっても種類は様々。
大きく3種類の在宅介護サービスに分けられます。
一般的にどんなものがあるのかみていきましょう。
訪問型サービス
自宅で受けられる介護サービスです。
各スタッフが自宅にきてくれ、それぞれのサービスを提供してくれます。
- 訪問介護
- 訪問入浴介護
- 訪問看護
- 訪問リハビリテーション
- 居宅療養管理指導
- 夜間対応型訪問介護
定期巡回・随時対応型訪問介護看護
などが一般的な訪問型サービスになります。
こられの詳しい内容はこちらのホームページが参考になりますよ。⇒在宅介護サービスの種類と特徴
通所型サービス
自宅にいながらでも介護施設に週に数回通ったり数日泊まったりして介護を受けるサービスです。
- 通所介護(デイサービス)
- 通所リハビリテーション(デイケア)
- 認知症対応型通所介護(認知症対応型デイサービス)
- 療養通所介護(療養型デイサービス)
- 短期入所生活介護(ショートステイ)
- 短期入所療養介護(医療型ショートステイ)
一般的にはデイサービスとショートステイを利用する方がほとんどです。
訪問型+通所型サービス
デイサービスを中心に、訪問介護、ショートステイの3つのサービスを提供する小規模な施設もあります。
- 小規模多機能型居宅介護
- 看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
在宅介護サービスの選び方
要介護者に必要なもの
介護サービスの基本は要介護者が自立できるように、支援もしくは出来ないことを補ってくれるもの。
要介護者が毎日少しでも元気に過ごせるようにという観点から、必要なサービスを選ぶようにしましょう。
介護者の負担が減らせるもの
在宅介護をやっていると大変な介助がいくつもあります。
要介護5の介護だと、やることや気をつけなければならないことが沢山ありますよね。
その中でも特に大変だと思うものやこれが減らせれば大分楽になるのに、といった介護者に重く負担のかかるものを介護サービスで助けてもらうという基準で選ぶのも重要なことです。
勧められたもの
担当医や訪問看護師さんなどは医療の目線で要介護者を常にみてくれています。
その時の状態で「こうした方がいい」などのアドバイスをくれたりも。
「他の患者さんでこのリハビリを入れたらだいぶ良くなった」等の情報も入ってきます。
最終決断は自分でした方がいいですが、信頼のおける人ならば勧められた介護サービスを選ぶのも一つの目安になります。
ケアマネージャーと相談
介護保険では要介護度に応じた介護サービスを受けられる限度数が決められています。
そのため受けたい介護サービスを全て入れることには限界があります。
上限枠を超えた介護サービスを入れると自己負担になり注意が必要です。
お金に余裕がある人はいいですが、なかなか余裕がないという方も多いと思います。
この決められた介護限度額内でどの介護サービスをどのぐらい入れるのか、週に何回入れるのかの計画を立てるのにケアマネージャーことケアマネさんという存在は外せません。
自分の希望をしっかりと話し、プロのアドバイスも聞きながらケアプランをつくりましょう。
介護度に応じた限度額はこちらの資料が参考になります⇒厚生労働省ホームページ
実際にわが家が利用している在宅介護サービスとスケジュールでポイント解説
では実際に要介護5の義母を在宅介護で看て15年目のわが家は、どんな介護サービスをどのぐらいの頻度でどんな理由で利用しているのか。
わが家が現在実際に利用している介護サービスの種類とスケジュールでポイント解説をしたいと思います。
毎日利用している在宅介護サービス
わが家で365日毎日利用しているサービスです。
介護に正月も休日もありません。
来てくれる介護スタッフには感謝しかありません。
訪問介護
朝と晩の30分間利用しています。
要介護5の義母はおむつをしているのと完全寝たきりなので、おむつ交換と着替えを介護ヘルパーさんにやってもらっています。
小さい赤ちゃんとは違い大人のおむつ交換と着替えはかなりの重労働。
以前は僕と妻でやっていましたが、毎日朝晩となるとかなりのストレスだったので一番最初に入れた訪問介護サービスでもあります。
毎日やる介助の中で特にストレスを感じているものを選ぶ
週に数回利用している在宅介護サービス
週に1回のものから4回まで数種類のサービスを利用しています。
要介護5の義母の健康状態を維持するものが主です。
訪問入浴介護
週に1度利用しています。
始めて見た時には「すごい!」と思いました。
半分に分離したバスタブを部屋の中で組み立て、お風呂場からお湯をひきシャワーまで出るのです。
これはかなり助かります。
寝たきりの要介護5の義母をお風呂に入れようと思ったらかなり大変というか無理ですが、やっぱりプロの技と道具はすごい。
義母はもちろん女性ですが、男性スタッフもいるので胸と下半身はタオルで見えないように隠して湯船に入れてくれる配慮もうれしいです。
本当なら週に2~3回お風呂に入れてあげたいのですが、他の介護スケジュールとの調整で週に1度になっています。
入浴は介護度が重ければ重いほど重労働で大変なので最低でも週に1度は利用したい
訪問看護
週に4回ほど利用しています。
義母は自力で排便ができないため「摘便(てきべん)」をしてもらっています。
以前は僕達夫婦2人で摘便をしてましたが、途中からケアプランを変更し看護師さんに頼むようになりかなり負担が減りました。
また途中からは担当医のアドバイスより「定期的な痰だしをした方がいい」と言われ、更に週に2回訪問看護を増やし週に4回の訪問看護利用になっています。
医療行為は家族もできるがプロに頼んだ方が要介護者にも安心で介護者の負担も激減
訪問リハビリテーション
週に1度利用しています。
いつも来てくれている信頼している訪問看護の所長さんから勧められて最近ケアプランに付け足しました。
寝たきりで四肢麻痺の義母にとって「胸や手のリハビリを入れるといい」と言われ最近取り入れたんです。
効果はまだ分かりませんが、義母自身の健康にいいことは極力いれていこうと思っています。
信頼しているスタッフから勧められたことは取り入れてみるのもあり
月に数回利用している在宅介護サービス
月に2回隔週で利用しています。
要介護5の義母は完全に寝たきりの状態のため外出するのも大掛かりになるので、とても助かるサービスです。
訪問診療
月に2回担当のお医者さんが来てくれます。
義母の診察や薬の処方をしてくれる他に気管切開をしているのでカニューレの交換も毎回自宅でやっています。
またその時の気になる状態などを報告し血液検査や年に1度のインフルエンザの予防注射などもやってもらっています。
緊急時など相談したい時には休日や夜中の時間帯など昼夜問わず携帯電話で対応してくれ、かなり心強くとても患者想いの良い先生です。
担当医は安心のおける患者想いでいつでも相談にのってくれるお医者さんがベスト
訪問歯科診療
月に2回利用しています。
口腔ケアを主にやってもらいますが過去に抜歯もやってくれました。
歯のメンテナンスも健康維持には大事なことの1つ。
寝たきりの義母にとっては訪問でやってくれるのは非常に助かります。
案外忘れがちな口腔ケアも定期的に入れることは大事
年に数回利用している在宅介護サービス
1年に2回利用しているサービスです。
要介護5の義母は腸瘻(ちょうろう)をしているので、病院で年に2回腸瘻カテーテルを新しいものと交換するために通院しています。
その際に利用しているのが介護タクシーです。
介護タクシー
車椅子やストレッチャーでの乗り入れができる介護タクシーは、寝たきりの要介護者にとっては必須の移動手段。
要介護5の義母は車椅子移動なので車椅子のまま乗れるワンボックスタイプの介護タクシーで移動しています。
要介護者には各自治体がタクシー券(福祉タクシー券)を配布しています。
タクシー代が何割か割引されるので必ず利用しましょう。
各自治体が配布しているタクシー券(福祉タクシー券)を利用しよう
まとめ
在宅介護は365日24時間休みというものがありません。
自分達だけで看ることには限界があり介護者・要介護者が共倒れしかねません。
在宅介護はいかに在宅介護サービスを上手に利用するかでかなり負担の増減が変わってきます。
上手に利用するには要介護者にあったサービス、介護者の大きな負担になっている介護内容などを中心に選んだ方がいいです。
またケアマネージャーの存在もかなり大きいです。
家族の事をしっかりと理解してくれ希望に見合ったケアプランを立ててくれるようなケアマネさんが望ましいです。
ケアマネさんによっても性格や知識、スキルによってかなり介護生活が左右されるほど大きな存在と言っても過言ではありません。
ケアマネさん選びも在宅介護サービスを利用するにあたり忘れてはならない存在です。
在宅介護サービスを上手に利用し、少しでもストレスの少ない在宅介護生活を送っていきましょう。
- 要介護者に必要なものから選ぶ
- 介護者にとって介護の負担が大きいものを選ぶ
- 信頼のおける介護スタッフから勧められたサービスを入れるのもあり
- ケアマネージャーがキーポイント
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