前回の記事では介護保険制度についての簡単に分かりやすく説明をしました。
では実際に自分の家族にそろそろ介護が必要と思った時に
「何から始めればいいの?」
と戸惑う方は多いのではないでしょうか。
65歳以上になったからといってすぐに介護保険サービスを利用することはできません。
この記事では介護保険サービスを利用するために
- まず初めにやることは?
- どんな手続きをするの?
- どういった流れで介護保険サービスを利用できるの?
といったような分からない方のために、またこれから介護保険サービスを利用したいと思っている方に向けて、その手続き方法と流れを大事なポイントを交えながら経験者の目線でご紹介したいと思います。
僕は現在、要介護5の義母を在宅介護で看て15年目になります。
義母の介護に携わりいろいろと介護についての知識や経験を培ってきたわけですが、ゼロからのスタート時には何から手をつけていけばいいのかチンプンカンプンでした。
もう一度僕もその辺の知識を整理するとともに、一緒に学んでいきましょう。
介護保険サービスを利用するには
前回にご紹介した介護保険制度を使い、実際に介護保険サービスを利用できます。
しかし介護保険サービスを利用するにあたり、65歳以上から加入できる被保険者証があるからといっても『要介護認定』というものを受けなければ利用することができないんです。
要介護認定とは
介護サービスの必要度(どれ位、介護のサービスを行う必要があるか)を判断するものです。
厚生労働省ホームページより
特に在宅介護となると1人での介護には限界があり、上手に介護サービスを利用していかなくてはいけません。
介護保険サービスにはどんなものがあるのか、こちらの記事で詳しくご紹介していますのでご参考にしてみて下さい。
要介護認定を受けるためには
介護保険サービスを利用するためには、まず『要介護認定』を受けることが必要です。
手続き方法と流れを順番にご紹介したいと思います。
初めにやることは要介護認定の申請をする
本人もしくはご家族の方が住んでいる市区町村の窓口で要介護認定の申請をします。
要介護認定の申請に必要なもの
- 印鑑
- 介護保険
- 要介護(要支援認定)申請書(市区町村の窓口またはWebサイトから入手できます)
- 65歳以上の方は被保険者証
- 40歳から64歳までの方は健康保険被保険者証
- 主治医の意見書(主治医の氏名や病院名・連絡先などの必要事項を提出すれば、市区町村が主治医に意見書の作成を依頼します。)
本人かつご家族が申請できない場合は・・
本人が入院などしているもしくはご家族が遠方に住んでいて申請できないなどの場合は、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所に申請を代行してもらうこともできます。
また本人が病院に入院している場合は、病院のソーシャルワーカーが自治体の窓口や地域包括センターに連絡し手続きをすることもできます。
要介護認定の申請が終わったら
前項の手続きをすると要介護の認定調査が次のような手順で行われます。
1.訪問調査
市区町村の職員・委託されたケアマネジャーなどが自宅に訪問し、申請した本人の心身の状態や日常生活についての聞き取りをします。
いわゆる面談みたいな感じです。
2.二段階の判定
訪問調査が終わるとそれをもとにニ段階で判定が行われます。
【一次判定】
訪問調査の結果と主治医の意見書の一部をコンピューターに入力し判定します。
【二次判定】
一次判定の結果、主治医の意見書・その他の必要書類により介護認定審査員が要介護認定区分の判定を行います。
認定結果の通知
申請してから30日以内に認定結果と介護保険被保険者証が郵送されます。
要支援1〜2、要介護1〜5の分類のどれかまたは非該当になります。
最後に
ここまでが介護保険サービスを利用できるまでの一連の流れになります。
前項にも書きましたが、一番大事なポイントは訪問調査。
調査員が本人にいろいろ質問を投げかけますが、人というのはやはり他人の前では気丈にふるまいます。
普段できないようなことも他人から聞かれると「できます」と答えたりするもの。
そこはご家族が立ち合いしっかりとサポートし、場合によっては補足してあげることが大事です。
話はちょっとそれますが、現在看ている要介護5の義母もまだ話せた時は常に「背中がかゆい」と言っていてよくかいてあげていました。
訪問入浴時に「どこかかゆいところありますか?」とスタッフに聞かれた時に「ありません」とハッキリと答えているのを見て「えーーっ!」と思ったことがありました。
もちろん本人の代わりに「背中を入念に洗ってもらっていいですか?」とお願いをしました。
年配の方はこんな感じで他人の前では気丈に振る舞うとも実感。
家族の前だから甘えているというのもあると思いますが、正確に普段の現状を伝え
『だから介護が必要!』
ということを強く正確な普段の現状を調査員に伝えることがとても大事なポイントです。
- 要介護認定の申請をしよう
- 訪問調査員の質問に高齢者は気丈に振る舞うことが多々ある
- 訪問調査の時には極力ご家族も同席しよう
- 介護が必要だということをご家族がしっかりと調査員に伝えよう
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