在宅介護をしていくうえで、1人でもしくは家族で看ようと思っても限界があります。
要介護者の状態により負担は各ご家庭でかなり変わってきますが、日本には介護保険制度というものがあるので上手に利用していきたいですよね。
介護の負担を少しでも減らすためには介護保険サービスを利用していくのは必須ですが、まずは介護保険制度という基本的なことを知り順番に手続きをしていきましょう。
介護保険サービスを利用するにあたり
- 介護保険制度を理解する
- 要介護認定を申請する
までが基本的な流れです。
この記事では、実際に介護保険サービスを利用するための流れを、わが家の実例も上げながら分かりやすく説明したいと思います。
前回は介護認定を受けるまでの一連の流れをご紹介しました。
では要介護認定を受けたら
次にやるべきことは?
実際に介護保険サービスを受けるまでの、最終手続きと最も大事なことを説明していきます。
要介護認定がおりたら次にやることは
まずは要介護認定の区分ごとの支給限度額をチェックしてみましょう。
介護認定区分ごとの支給限度額とは
区分ごとの支給限度額とは、介護保険サービスを受けるにあたり区分ごとに支給限度額が下記のように定められています。
区分ごとに利用できる種類や量がだいぶ変わってきますので、まずは要介護認定による区分ごとの支給限度額をみてみましょう。
要支援1 | 5,003単位 |
要支援2 | 10,473単位 |
要介護1 | 16,692単位 |
要介護2 | 19,616単位 |
要介護3 | 26,931単位 |
要介護4 | 30,806単位 |
要介護5 | 36,065単位 (単位x10円) |
これらの支給限度額以内であれば、1割の負担で介護サービスが受けられます。
限度額を超えて利用する場合は超過した分は自己負担となります。
要介護5なので限度額いっぱいまで介護サービスを利用した場合は、上記の支給限度額から360,650円までの介護サービスを利用でき、自己負担は1割の36,065円となります
「そんなに使えるの!」と思われがちですが、要介護5の義母は完全な寝たきり状態で全く1人では何も出来ないので、介護サービスを利用するものは多くなり、すぐに限度額いっぱいになってしまいます。
本人の状態により受けたいサービスは人それぞれですから、しっかりと考え選んだほうがいいです。
主に受けられる介護保険サービス
介護保険サービスには様々なものがありますが、主に下記が主なサービス内容になります。
- 家事援助
自宅で受けられるサービス - デイサービス
施設などに出かけて日帰りで行うサービス - ショートステイ
施設などで宿泊しながら短期間受けられるサービス - 介護老人保健施設・特別養護老人ホーム
施設などで生活しながら長期間受けられるサービス - 組み合わせのサービス
訪問・通い・宿泊を組み合わせて受けられるサービス - 福祉用具の利用
車いすや介護ベッドなどのレンタルを利用できるサービス
在宅介護ですので、主に
・朝夕のオムツ交換・着替え時の訪問介護サービス
・週1回の訪問入浴
・週4回の訪問看護
・その他車いすや介護ベッド
わが家が実際に利用していた、介護保険サービスを細かく紹介した記事があります。
ご参考程度に載せておきます。
介護保険サービスを利用するための最終手続き
それでは支給額を確認した後は、これらの介護サービスを利用するための手順を説明していきます。
介護(介護予防)サービス計画書の作成を依頼
実際に介護保険サービスを利用するにあたり、介護サービス計画書というものを作成しないと始まりません。
介護認定区分によって依頼先が変わります。
- 要支援1.2と認定された方⇒地域包括支援センターに相談して作成してもらう
- 要介護1~5と認定された方⇒居宅介護支援事業者に相談して作成してもらう
介護サービス計画書とは
ケアプランとも呼ばれ、どのような介護サービスをいつ・どれだけ利用するかを具体的に決める計画のことです。
居宅介護支援事業所に連絡をすると、ケアマネージャーが親身になって相談に応じてくれます。
上記の支給限度額内で収まるように、その人に合った介護サービスをプロの目線からアドバイスをくれ、細かく計画してくれます。
僕たちのような在宅介護の場合は、特にケアマネージャーは自分の介護の担当者みたいな存在なので、どういうケアマネージャーと付き合っていくのかでも、今後の介護生活が大きく変わってきます。
ケアプランが完成したら、利用する各介護サービス事業所に全ての手配をケアマネージャーがやってくれますので、介護サービス利用の開始となります。
介護保険サービスを利用するための重要ポイント
実際に介護保険サービスを利用するために忘れてはならない最も大事なことがあります。
それはケアマネことケアマネージャー。
理由を簡単に説明すると、このようになるからです。
・介護サービスを利用するにあたりケアプランは大事
・ケアプランを作成してもらうにあたりケアマネージャーはもっと大事
・ケアマネージャーは人柄・知識・トータル的な人間性がとても大事
・ケアマネージャーは慎重に選ぶべし
・ケアマネが合わないと思ったら納得のいく人が見つかるまで根気よく探すべし
・ケアマネの違いで介護生活は大きく左右される
ケアプランはケアマネージャーが作成しますが、ここが本当に最も大事なポイントなんです。
わが家の最後のケアマネさんは5人目で13年担当してもらいましたが、その前の4人のケアマネにはかなり泣かされました。
ケアマネ次第で介護生活が大きく左右されるということは間違いありません。
自分の納得のいくケアマネさんを探すことを強くおすすめします。
わが家が泣かされてきた過去のケアマネ4人の記事は、こちらで書いています。
反面教師として参考にして下さい。
最後に
ここまでが介護保険サービスを受けるまでの一連の流れと最も大事なポイントです。
介護はとても大変でひと言では言い表せない辛さがありますが、介護保険サービスを上手に利用すれば何とかやっていけるものだと思っています。
わが家では在宅介護歴17年でしたが、最後の数年は介護と私生活の両立を図れるようになりました。
少しでも同じ環境の方の参考になるような記事を随時書いていきたいと思いますので、頑張っていきましょう。
- 介護区分によって支給限度額が違う
- 支給限度額内で上手に介護保険サービスを利用するためにはケアプランが大事
- ケアプランを作成してもらうにあたりケアマネはもっと大事
- ケアマネ次第で介護生活が大きく左右されると言っても過言ではない
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