在宅介護を通して、人間はどんな環境でも慣れるものだと実感しています。
現在は18年目なので大体のことは経験してきたつもりです。
でも今でももちろん辛いと思うことはあるし、楽になったと思える部分もあるし、ちょっとのことではへこたれない精神力もつきました。
在宅介護をやり始めた頃は、毎日がいっぱいいっぱいで訳の分からない毎日。
前回の記事でそんなことを書きましたが、それも数ヶ月もすれば慣れてきます。
でもその後にはまた新たな悩みが出てくるんです。
在宅介護を始めて3ヶ月後
3ヶ月もすると汗まみれでやっていた作業が、いとも簡単にできるようになります。
作業効率がかなり上がり手際も良くなる。
人間ってすごいですよね。
あれだけ最初は四苦八苦していたことが、繰り返すことによっていとも簡単にできるようになる。
どんなことにも順応できるようになってくるんですよね。
でも悲しいことに、その後にまた新たな悩みや苦しみが出てくるのが在宅介護の辛いところです。
在宅介護スタートから3ヶ月目の壁
あくまでもわが家の場合ですので全員には当てはまらないかもしれませんが、どんな壁が待ち構えているのかご紹介いたします。
ご参考程度にどうぞ。
1番最初に感じたストレス
慣れてきた介護のあれこれ。
でも毎日やらなければならないというところに、だんだんとストレスを感じ始めました。
在宅介護をやっていくことに腹をくくったつもりでいましたが、甘く考えすぎたのかもしれません。
自分らの生活を二の次に介護を第一に優先する生活は、体力はもちろん精神的にもかなり追い詰められていきました。
しかし、介護施設に戻したらヤバいのは分かりきっていること。
当時の介護施設にはうんざりしていました。
義母は当時は会話ができる状態でしたが、左半身麻痺の状態で自力で寝返りさえ打てない状況。
またてんかん発作もありますので、我々夫婦が守ってあげないと危ない。
たまには息抜きもしないとと思いつつ、気持ちと現実はどんどんかけ離れたものになります。
「看なければ」と「たまには息抜き」をとの間の心境。
在宅介護は看る要介護者の状態にもよりますが、本当にやったものにしか分からない独特の辛さがあります。
周りは簡単に言うが・・
よく相談員や周りの人は、
「たまにはデイサービスやショートステイに預けて、息抜きしないと。」
と簡単に口にします。
今はどうか分かりませんが、当時は本当に色々試しましたがどの介護施設もひどいことばかり起きました。
機会があればまた話そうと思いますが、
- 意識がほとんどない状態で返されたり
- 足の骨を折られて帰ってきたり
- 酷い時は危篤まで陥ったり
などがありました。
病院の集中治療室に2ヶ月弱入っていたんです。
こんな酷い介護世界の現実を実際に目の当たりにし、
どこに安心して預けられますか?
安心なところあったら教えてください
って逆に聞きたいぐらい。
ある程度自力で動ける人は逆に施設が楽しいかもしれません。
でもわが家のような寝たきりの要介護者は、完全に受け身状態。
しっかりと看てくれる介護施設なんてほぼないのではないでしょうか。
それを簡単に言ってくる周囲の状況にヤキモキしてました。
介護サービスを入れると余計に疲れる
当時は他人が家に入ってくるのに、かなりストレスを感じていました。
各介護サービス。
普段は介護でドタバタしているので、家の中は散らかり放題。
だからか人が来る前に家を片付けたりしていたんです。
こちらは助けてほしいから頼んでいるのに、これでは余計疲れます。
スタッフやケアマネは「状況が分かっているので片付けはしなくていい」とは言いますが、こちらとしてはやっぱり気を使い片付けてしまう。
サービスで人が来る度に余計に疲れていました。
最後に
在宅介護に踏み切り、極力自分達で看ようと決心。
在宅介護を始めて今年で18年目になります。
今考えるとよくここまで頑張ってこれたと自負しております。
現在も義母は健在で、当時と状態は変わったとは言え顔色もバイタルも良く穏やかに毎日を過ごせています。
在宅介護環境もある程度は、信頼・信用できるスタッフで固められるようになりました。
ここに来るまでほんとうに色々嫌なこと辛いことがあったわけですが、それがあったからこそですね。
いずれにしてもある程度の辛さを乗り越えないと次はないわけです。
でもだんだんだ慣れてきます。
本当です。
1つ1つが当たり前になってくるんです。
だから踏ん張って欲しいです。
介護をやっている皆さんに、少しでもお役に立てれば幸いです。
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