高齢になると、食事の時にむせやすくなったりうまく噛めなかったり飲み込めなくなってきたりします。
日に日に要介護者の様々な機能は落ちてきます。
特に在宅介護をしている人にとっては注意しておきたいこと。
食事にも気をつけないと大変なことにつながります。
この記事では在宅介護歴18年目の経験から、わが家で看ている要介護5の義母を振り返ります。
今まで実際にどういう経緯でどんな介護食をとってきたのか。
要介護者の状態に合った介護食を選ぶご参考になれればと思っています。
同じような状況の方の、少しでもヒントになれば幸いです。
嚥下とは
「嚥下」とは、食べ物を飲み込み、口から胃へと運ぶ一連の動作のこと
Nestle Health Scienceより
難しい漢字ですよね。
一番最初に受ける印象です。
「えんげ」と呼びます。
いわゆる口の中のものを飲み込む機能ですよね。
高齢者になるとこの嚥下機能は大事なキーポイントになります。
嚥下機能が低下することにより、様々な問題が出てくるんです。
嚥下機能が低下すると・・
嚥下機能が低下すると様々な嚥下障害が起こります。
嚥下障害とは
「口に入れた食べ物が飲み込みづらくなる状態」
で、高齢になるとなりやすいです。
食べ物を飲み込む筋肉が弱まることで、嚥下機能が低下してしまいます。
嚥下機能が低下すると食事が満足にできず、栄養不足になって体重が減少したり、場合によっては誤嚥性肺炎にかかったり窒息する危険も。
飲み込む力の嚥下機能は、侮れないのです。
要介護者は食事に注意!
高齢者は嚥下機能が低下することにより様々な障害が起こります。
特に注意したいのは食事。
噛む力や飲み込む力が弱まってくると、食事メニューも状態に合わせたものを選んだ方がいいです。
健常者と同じ食事メニューを出しても、嚥下機能が低下した人にとっては食べるのが非常に困難になります。
要介護者の嚥下機能がどの程度のものなのか、よく観察して食べやすい状態のものを出してあげたいですよね。
わが家の要介護5の義母の介護食経緯
わが家で看ている要介護5の義母は、寝たきり状態で現在は腸瘻から栄養を摂っています。
今までの義母の介護食経緯を振り返り、介護食の変化や私たちが対応してきた食事内容についてご紹介致します。
まだ口から食べられていた時期
義母が倒れてから要介護5の寝たきり状態ですが、最初の10年ぐらいは口からしっかりと食事ができていました。
どんな食事を摂ってきたのか、ご参考までに義母の状態の変化ごとにみていきましょう。
介護施設時代
義母が倒れてから7年間は介護施設で生活していました。
介護施設時代はきざみ食。
食べやすいように細かく刻まれたものを摂っていました。
でも喉に詰まらせやすいパンと麺類はNG。
在宅介護になってから
在宅介護に踏み切ってからは妻が主に作っていました。
と言っても在宅介護はとても大変で食事までしっかりと管理できていなかったので、簡単に食べやすいものを出していました。
湯煎するだけのお粥を中心に、おかずは箸やスプーンで「一口サイズ」にして出していました。
途中からは介護ケアの負担が重くのしかかり、宅配の介護食弁当を頼んでいました。
在宅介護で食事まで手が回らないという人にとっては、これはかなり助かるサービス。
お弁当1つから毎日家まで届けてくれるし、メニューも毎日変わります。
そして何と言っても、要介護者の状態に合った刻み食やペースト状などの介護食が選べるのはかなり助かります。
経鼻経管栄養時
誤嚥性肺炎が原因で、経鼻経管栄養になってからは主な栄養摂取は栄養剤。
それでも口からは食べられたので、ペースト状のおかずを数種類揃えたまに食べさせていました。
当時はまだ今ほど介護食の種類も多くなかったですが、それでも何種類かのタイプはありました。
- 歯が弱い人でも噛めるもの
- 歯茎でも噛める超柔らかいもの
- ペースト状のもの
など。
今ではネットで簡単に買えるのでかなり便利になりましたよね。
腸瘻時(現在)
腸瘻(ちょうろう)になってからは嚥下機能がかなり落ちました。
腸瘻の手術の入院の際には医療事故があり、全く予定していなかた気管切開にもなってしまいました。
そのため現在は口からは全く飲食はしておらず、腸瘻から栄養剤の「ラコール」というものだけに。
接種カロリーを少し増やすために「メイバランス」というものも摂取しています。
ラコールはかなり栄養価が高く、10年間ずっとこの2種類の摂取だけでバイタル良好に過ごせています。
ラコールだけだと接種カロリーがかなり低いために、メイバランスで補助的に補っています。
わずか125mlで200kcalもあり、少量で高カロリーなので寝たきりの要介護者にはおすすめです。
(※摂取する際には一応担当医に相談はして下さい)
市販の介護食はどこで売っている?
では実際に介護食ってどこで買えるの?
って疑問をお持ちの方に、こんなところで売っているので簡単にご紹介したいと思います。
宅配サービス
今や介護食の宅配をやっているところがかなり増えました。
目にすることが多くなりましたよね。
宅配の介護食は一般的にお弁当でいろんな形状で頼むことができます。
事業所によって色々ありますので、要介護者に合う形態・料金で選びましょう。
介護専門売り場
わが家がまだ介護食の時は、今ほど多く出回ってなかったのですがおかず1品ごとに数種類出ていました。
ネットではあまり見かけなかったので、家の近くのヨーカ堂内の介護専門売り場で買っていました。
近くにヨーカ堂やイオンなどある方は、一度介護専門売り場でどんなものが売っているのか見てみるのもいいかもしれません。
ネットショップ
今はネット販売でも様々なものを買えるようになり、かなり便利になりました。
要介護者に合う介護食があるのなら、ネットショップから買えばわざわざ出かけることなく家に届きかなり便利です。
ネットショップは、簡単に外出できない在宅介護をやる我々にとってはかなりありがたい存在です。
自分で介護食を作りたい人には・・
市販のものは様々なものが発売されていますが、それでも家族のために自分で介護食を作りたいと思っている人には、このようなレシピ本を参考にしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
嚥下機能は歳を重ねるごとに低下してきます。
- 食事が遅くなった
- 噛む力が弱くなった
- むせやすくなった
など、要介護者の変化に気づくのも介護をやる上で大事なポイントです。
嚥下機能の変化に応じて食べやすい形の介護食を選んでいくのも、われわれ在宅介護者にとっては忘れてはいけないこと。
命に関わることなので、しっかりと選んでいきましょう。
- 嚥下機能低下に注意
- 食事が遅くなった・噛む力が弱くなった・むせやすくなったら要注意
- 嚥下機能の状態に合った介護食を
- 市販の介護食やサービスを上手に使いたい
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