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在宅介護で困る下痢のおむつ交換!臭わない・汚れないコツまとめ

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在宅介護で寝たきりの要介護者の下痢時には、おむつ交換はかなり大変です。

下痢便は量が多く水分が多いため、おむつから漏れやすく広がってしまったり強い臭いが発生したりします。

また下痢便には、おむつかぶれなど皮膚トラブルを引き起こしやすくなります。

この記事では、在宅介護歴18年の経験から

こんな内容の記事
  • 下痢時のおむつ交換をスムーズかつ清潔に行うコツ
  • 皮膚トラブルや感染症を防ぐケア方法
  • 介護者の負担を減らす便利なグッズ

などをご紹介します。

目次

下痢時のおむつ交換が難しい理由とは?

下痢のおむつ交換は、かなり難しいですよね。

特に寝たきりの介護なら、ちょっとした油断が最悪状態に。

こんなことになってしまいます。

排泄物が広がりやすい

下痢時は便量が多く、一度の排泄でおむつがすぐに満杯になってしまいます。

成人用おむつでも吸収しきれず、端から漏れ出してベッドやシーツに広がることもあります。

排泄後はすぐに交換する必要があります。

広がりを防ぐためには、交換のタイミングを逃さず、便が出たらできるだけ早くおむつ交換を行うよう心がけたいところです。

臭いや皮膚トラブルが発生しやすい

下痢便は、細菌による発酵が進んで酸性・強臭性になりやすく独特の強い臭いを発生させます。

部屋に臭いがこもらないよう、換気はこまめに行いましょう。

また下痢便には消化酵素が多く含まれており、長時間皮膚に触れていると強い刺激となって皮膚炎やかぶれを引き起こします。

汚れたおむつやパッドは素早く取り替え、皮膚は温かいぬるま湯やアルコールフリーの清拭剤で優しく洗浄してから、きれいに乾燥させるケアが大切です。

ハル

介護部屋は独特の臭いが発生しやすですよね。在宅介護歴18年の我が家では、臭いに関してこんな工夫をしていました。

要介護者不快感への配慮も必要

おむつ交換はプライベートな行為のため、要介護者に不安や羞恥心が伴う場合があります。

交換前後には必ず「おむつをこれから交換しますね」と声をかけるなど、安心感を与える声かけを行いましょう。

また、おむつ交換中も

  • 大丈夫ですか?
  • 痛くないですか?

などと声を掛け、次の工程を説明しながら進めることで要介護者の緊張を和らげられます。

可能であれば、おむつ交換中はタオルやシーツで股間を覆い、必要以上に露出しないよう配慮すると良いでしょう。

おむつ交換をスムーズにする事前準備

下痢時のおむつ交換は、準備を整えておくだけで格段に楽になります。

ここでは、作業をスムーズにするための基本的な準備を解説します。

使いやすい物品のセット例

交換の準備を万全に整えておくことが、スムーズな作業の第一歩です。

事前に必要な物品をまとめて用意しておくと安心です。

具体的には、

使いやすい物品のセット例
  • 新しいおむつ
  • おしりふき(濡れたウェットティッシュ)
  • 清拭用タオル
  • ぬるま湯や洗浄ボトル
  • 使い捨て手袋
  • 使い捨てエプロン
  • マスク
  • 皮膚保護用クリーム
  • 交換後の衣類・寝具、ゴミ袋

などを一式揃えます。

我が家の場合
我が家でのおむつ交換時の用意

使い捨ての手袋やエプロンは衛生管理に欠かせません。

さらに消臭スプレーやおしり拭きウォーマー(ウェットティッシュウォーマー)を用意しておくと、介護される方の快適性が高まります。

使い終わったおむつなどはすぐに捨てられるよう、手元にゴミ袋を用意しておくと後片付けも手早く行えます。

ハル

使用済みのおむつの処理に困ったことはありませんか?その日がゴミの日だったらいいですが、そうでなければ数日間どこかに保管しなくてはいけません。臭いを発するものだから、我が家ではこんな対策で臭いを防いでいました。

防水シート・使い捨て手袋の活用

床ずれや寝具への汚れを防ぐために、防水シート(ラバーシーツ)をベッドや布団の上に敷いておきましょう。

特に毎日使う寝具は、防水シーツを使用することで汚れが生じた際も洗濯や取り換えが簡単になり、後処理の負担が大幅に軽減されます。

またおむつ交換時には必ず使い捨て手袋を装着し、汚れ物に直接触れないようにします。

手袋は1回ごとに交換し、使用済みの手袋はその場でビニール袋に捨てて周囲を汚染しないように注意しましょう。

室内の換気と消臭対策

排泄臭が室内にこもらないよう、部屋はこまめに換気して新鮮な空気を取り入れましょう。

定期的に窓を開けるだけでも臭いを外へ逃がす効果があります。

特に下痢で臭いが強いと感じたら、換気扇や空気清浄機を使うのも有効です。

また、消臭グッズを活用するのもおすすめ。

  • 市販の消臭スプレー
  • 脱臭シート
  • 活性炭や重曹を利用した消臭剤

などを部屋に置いておくと、排泄臭対策になります。

おむつ交換中には、臭いを強くする可能性のある香りものではなく無香料または弱めのものを選びましょう。

ハル

寝たきりの介護だと、むやみに窓を開けると季節によっては風邪をひかせる恐れが。我が家ではほぼ窓を開けませんでしたが、それだと部屋の臭いがひどいことに。そんな時に重宝したのがこの空気清浄機です。

下痢時のおむつ交換手順|臭わず汚れにくい方法

実際のおむつ交換は、手順を知っているだけで汚れや臭いを最小限に抑えられます。

ここでは、下痢でも慌てず対応できる具体的な交換手順をご紹介します。

1. 排泄確認と声かけ

まず、排泄が起きているかどうかを確認します。

寝たきりの方では、尿意や便意に気づきにくいこともあるので排泄後はおむつを軽く膨らませて確認するか、見守りセンサーなどがあれば利用するとよいでしょう。

ハル

我が家では、おむつに鼻を近づけて臭いが怪しかったらおむつを開けて確認してました。

排泄を確認したら、実際におむつ交換に移る前に「これからおむつを交換しますね」と声をかけ、要介護者に状況を理解してもらいます。

声かけや笑顔での対応を忘れず、落ち着いたトーンで話しかけることで安心感を与えられます。

2. 上手な体位変換とシーツの使い方

背中や股の下に手を入れ、片側に体を倒して側臥位(横向き)に体位変換します。

一人で難しい場合は、背もたれを使う、脚を横へ倒す、タオルをかけるなど工夫して安全に行いましょう。

体位変換ができたら、汚れたおむつをお尻の下で包み込むように折り返して体から遠ざけ、そのまま交換台や台布団の上に取っておきます。

このとき、防水シートを敷いていれば、おむつから漏れた汚れが布団に付着するのを防げます

新しいシーツやタオルが必要な場合は、体位を変えたタイミングでさっと敷き替えます。

再び仰向けに戻したら、必要に応じて下腹部にタオルをかけて寒さを防ぎます。

3. 拭き取りの順番とやさしい清拭方法

まず、便を取り除きます。

残った下痢便は、温めた(または常温の)ウェットティッシュや温水を含ませたガーゼで、前から後ろへ(特に女性の場合は尿道から肛門に向かって)優しく拭き取ります。

汚れをこすらないよう、肌を押し当てて水分を吸い取る「押し拭き」で拭くと皮膚への摩擦を抑えられます。

必要に応じて石鹸や専用洗浄剤を使い、陰部周辺も丁寧に洗い流します。

清拭後は、清潔なタオルで水分を優しく押し拭きし、完全に乾燥させます。

乾燥が不十分だと皮膚がふやけてかぶれやすくなるため注意しましょう。

皮膚に赤みや湿疹が見られた場合は、皮膚科に相談のうえ適切な軟膏を塗布します。

必要であればベビーパウダーでさらさらに保ちます。

ハル

洗う際には、広げたおむつの下に広めにペットシートを数枚敷くと安心です。安いうえに水分もしっかりキャッチするので、我が家では必需品の1つでした。

4. 新しいおむつの当て方とフィット調整

新しいおむつを装着します。

まずおむつの正面と背面を確認し、成型部(吸収体)を体の中心に合わせて折り込んで当てます。

片側を固定し、仰向けに戻ってからもう片側も装着し前後のテープを均等に留めます。

このとき、おむつがきつすぎずゆるすぎないように身体にしっかりフィットさせてください。

太ももの周囲にはすき間がないようにし、脇腹のギャザーを立ち上げるようにして漏れを防ぎます。

サイズの合ったおむつを選び、フィット感が良いと皮膚への摩擦や漏れを大幅に減らせます。

装着後はもう一度声をかけて「終わりましたよ」と伝え、片付けに移ります。

ハル

我が家では、おむつの内側にパッドを3枚挟んでました。お尻側に大パッド1枚、その上に小パッドを1枚、さらに陰部側に蛇腹にした小パッドを1枚。要介護者の状態によりますが、我が家ではこのやり方がベストでした。ご参考までに。

皮膚トラブル・感染症を防ぐケア方法

下痢は、皮膚トラブルや感染症のリスクを高めます。

おむつ交換と合わせて、肌を守りながら清潔を保つためのケア方法を知っておきましょう。

下痢によるおむつかぶれの対処法

下痢便の刺激によるおむつかぶれには早めの対処が重要です。

可能な限り排泄後すぐにおむつを交換し、皮膚に便が長時間触れないようにしましょう。

交換後は陰部周辺をしっかり清潔・乾燥させ、必要に応じて保湿・保護クリームを塗布します。

皮膚を乾燥させないため、ワセリンやベビーローションなど肌を保護するクリームでバリアを作っておくと効果的です。

皮膚炎が進行して痒みや発赤がある場合には、担当医に相談しステロイド軟膏や抗真菌薬を使用することも検討しましょう。

スキンケア用品の選び方と使い方

おしり拭きや洗浄剤は、アルコールや香料が入っていない低刺激性のものを選びます。

濡れたウェットティッシュは、乾いたペーパータオルよりも皮膚への摩擦が少ないのでお勧めです。

清拭時の水もぬるめ(30~40℃)を使うと冷たさによるショックが和らぎます。

清拭のあとは肌をしっかり押し拭きし、ゴシゴシ擦らないよう注意します。

皮膚のバリア機能を守るために、清拭後は高保湿のボディミルクやクリームを塗って肌の潤いを補給しましょう。

常に皮膚の状態を観察し、特におむつから出血やひどい皮膚炎が見られたら早めに医療機関を受診します。

感染予防のための手洗い・消毒ポイント

下痢便は、ノロウイルスや大腸菌など様々な病原体を含むことがあり感染源となる可能性があります。

おむつ交換時には必ず使い捨て手袋を着用し、作業後には脱いですぐに石けんで手を洗いさらにアルコール消毒をしましょう。

使用済みおむつや汚れたタオル類は密閉容器や防臭袋(市販の排泄物用防臭袋など)に入れて捨て、できるだけ他のものに触れさせないようにして下さい。

便汚れの付いたシーツや衣類は漂白剤入り洗剤で洗濯し、日干しすることも感染拡大防止になります。

介護者自身も吐き気や下痢などの症状が出た場合は感染力が強い期間なので、別の家族に代わってもらうか専門家の助言を仰ぎましょう。

介護者の負担を減らす!便利グッズ&時短アイデア

下痢時のおむつ交換は介護者にとって大きな負担です。

便利なグッズや時短の工夫を取り入れることで、日々の介護をより楽にできます。

使い捨ておしりふき・防臭袋の活用

介護用の「使い捨てウェットティッシュ」は、何度も使える布よりも片付けが簡単で便利です。

おしりふき専用の暖房器具(おしりふきウォーマー)を使うと冷たさで要介護者が驚く心配も減り、快適性が増します。

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また、使用済みおむつの悪臭対策には「防臭袋」を活用しましょう。

専用の二重構造袋(BOSなど)におむつを入れて口をしっかり閉じて捨てるだけで、気になる臭いをほぼ封じ込められます。

ハル

それでも臭いが気になる方は、我が家でもやっていたこの方法を試してみてください。

軟便パッドを使用

我が家で使っていた軟便パッド
我が家で使用していた軟便パッド

下痢便専用の「軟便パッド」を上手に使うのも有効です。

軟便パッドは通常の尿とりパッドよりも目が粗く、柔らかい下痢便を吸収しつつ皮膚刺激を減らす構造になっています。

おむつの内側に敷いて下痢便をパッドで受け止めると、下着やパジャマが汚れにくくなる場合があります。

汚れたパッドは使い捨てなので、便が付着したらすぐ交換してください。

交換を怠ると漏れが広がりやすくなるため、こまめな交換が大切です。

なお、軟便パッドだけでなく新しいおむつをセットで使用しパッドがいっぱいになったら速やかに処理しましょう。

ハル

我が家では、下痢時におむつの外に漏れ出す問題を軟便パッドに何度も助けられました。吸収力が結構あるので結構重宝しますよ。

交換頻度を減らす工夫とタイミング管理

おむつ交換の回数をできるだけ減らすには、排泄のリズムを把握して事前に対処する工夫も有効です。

例えば、

  • 毎食後
  • 水分摂取後
  • 入浴後
  • 就寝前

などは、排泄が起こりやすいタイミングです。

あらかじめおむつを交換したりトイレ誘導したりする目安にしましょう。

日中は可能な範囲でトイレに誘導したり、ポータブルトイレを活用したりして排泄回数をコントロールします。

定期的にトイレに誘導することで、おむつ内での排泄を減らせるため要介護者の尊厳を守りながら交換頻度を下げることができます。

また、水分摂取量を調整して硬便に近づけるために、食物繊維を含む適切な食事と十分な水分補給を行うことも便性コントロールの一助になります。

まとめ

下痢時のおむつ交換は、通常以上に手間と配慮が必要ですが、適切な準備と正しい手順で行えば負担を大きく軽減できます。

交換前に

  • 十分な物品を用意
  • 防水シートで寝具を保護
  • ペットシーツを活用
  • 使い捨て手袋や軟便パッドを活用

などをすることにより、介助がスムーズになります。

在宅介護における「下痢時のおむつ交換」は大変な仕事ですが、ここでご紹介したコツとグッズを取り入れれば、介護される方にも介護する方にも負担が少なく、より快適なケアが可能になります。

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この記事を書いた人

要介護5の義母を在宅介護で看てきて18年目で終止符。
介護施設での介護経験を入れるとトータル25年。
介護の世界は独特です。
最初は介護の「か」の字も全く知らなかった状態で、ここまでいろいろな経験をしてきました。
これまで培ってきた介護のノウハウや、あまり公になっていない現実を、包み隠さず発信していきます。

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